TPP Q&A 上級編

<<日本の食料輸入拡大で、世界の飢餓・環境に影響を与える?

農業への補助金制度はどうなるの?>>

地方の工事が外国企業に取られてしまうのでは?

解答

  • 公共事業の開放とは、外国企業の日本市場での受注を約束することではありません。案件の概要や規模など一部を英語で表記し、情報を提供するだけです。
  • すでに日本は、中央政府だけでなく、都道府県や政令指定都市レベルの工事まで海外企業が入札できます。
  • TPP交渉参加国の中には、公共事業を他国に全く開放していない国もあるなど、総じて開放レベルは低いので、日本が今以上の開放(=市町村レベルまで入札範囲を拡大)を求められることは考えられません。
  • そもそも、今でもかなり開放的であるにも関わらず、外国企業は参入してきていません。たとえ、外国企業が受注しても、外国から安い労働力を連れてくることはできません。したがって、市町村レベルの工事や今より少額の工事に外国企業が入ってくることは考えにくいでしょう。
これまでの経済連携(P4協定、米豪FTAなど)における公共事業の開放状況
全く開放せず 中央政府のみ 中央政府と地方政府の一部
ベトナム
マレーシア
チリ(※1)
ニュージーランド
シンガポール(※2)
ブルネイ(※2)
オーストラリア(全州)
ペルー(全県)
アメリカ(50州中31州)
日本(全都道府県・政令指定都市)

※1:P4協定以外の経済連携では地方政府を対象にした例あり
※2:もともと地方政府がない
P4協定:チリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイの間の経済連携協定で、2006年に発効。

出所:国家戦略室HP掲載政府資料

(参考)国際入札の対象になる政府調達の基準額について

  • 公共事業などの入札を海外企業に開放することを国際的に約束する場合、対象を絞るために「基準額」を定めています。この「基準額」を下回る小規模な工事などは、国際入札の対象になりません。
  • 日本は中央政府についてアメリカなどと同程度の基準額を約束しています。
  • 一方、地方公共団体の公共事業の基準額は、アメリカの方が低い例があります。しかし、仮に日本の基準額を引き下げたとしても、新たに開放される案件は全体の0.1%程度に過ぎないと計算されています。
これまでの経済連携(P4協定、米豪FTAなど)における基準額
  対象 P4協定 米ペルーFTA 米豪FTA 日チリEPA
中央 物品・サービス 750万円 1806万円 623万円 1500万円
建設サービス 7.7億円 6.9億円 6.9億円 6.9億円
地方 物品・サービス 対象外 4930万円 4930万円 3000万円
建設サービス 対象外 6.9億円 6.9億円 23億円

出所:国家戦略室HP掲載政府資料

都道府県の基準額を引き下げた場合の影響

都道府県の建設サービスの基準額を23億円から7億円程度に下げた場合

新たに開放される調達件数は全ての工事件数の0.1%程度(2010年)

※公開情報をもとに都道府県の約半分を調査した結果
出所:2011年月11日衆議院予算委員会 枝野経済産業大臣答弁

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