TPP Q&A 上級編

<<ISDS条項で理不尽な理由で巨額の損害賠償を命じられるのでは?

TPPでは自由化の例外は全く認められないのでは?>>

ISDS条項で国内規制や制度が変えられるのでは?

解答

  • ISDS条項は、企業の財産が補償なしに一方的に国有化された場合などに中立的な解決をするために、数十年前からある制度です。
  • 仮に国が負けても、求められるのは金銭賠償であり、法律や制度の変更を強制されることはありません。

(参考)よく取り上げられる事件の例 エチル事件(アメリカ企業 vs カナダ)

  • 「ガソリンの有害添加物に対するカナダの規制が、アメリカ企業(エチル社)の訴えで撤廃させられた」として紹介されることがありますが、真相は以下のとおりです。
    1. カナダの規制は、添加物の国内での使用や生産を禁止せず、海外からの輸入と州を越えた取引だけを禁止するという差別的なものでした。
    2. この規制に対し、州政府は、自分たちの意見を十分聞かずに、カナダ連邦政府が規制をしたとして、連邦政府に対する国内の紛争処理手続きを開始しました。一方、エチル社は、北米自由貿易協定(NAFTA)に基づいて国際仲裁に訴えました。
    3. 国内の紛争処理手続きでは、連邦政府の法律違反を指摘し、規制について再度議論するように求めました。一方、国際仲裁は、エチル社の訴えについて仲裁法廷で審議することを認める判断(管轄権判断)を出しました。
    4. その1カ月後、カナダ政府は、新規立法を取り下げることを発表しました。同時に、エチル社に対しても和解したことを発表しました。
  • つまり、エチル事件では、実際に規制の適切性が判断されたのは、国内紛争処理手続きであり、国際仲裁ではありません。したがって、エチル社に訴えられたから規制を取り下げたというのは間違いです。
  • また、カナダ政府が規制しようとした理由は、自動車の故障診断システムに対する悪影響であり、人体への悪影響ではありませんでした。

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TPPでは自由化の例外は全く認められないのでは?>>


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